track7■至福のとき

デジタル音楽との運命的な出会いがおとずれます。
掌に収まるほど小さなシーケンサ、ヤマハQY20。叔母からの贈り物でした。とてつもなく魅力的な玩具となりました。Hugeは簡単なトラックを制作していきます。当初、友人たちの似顔絵に添えるテーマ音楽を面白半分に創っていました。そして、いつしかそのテーマを真剣に磨いていきます。

ピアノを弾き始めたのもその頃。独学で指使いもハチャメチャ。打楽器のように弾き、音圧が強く、まるで地響きのようでした。私にはその巧拙は分かりませんでしたが、傍らで聴いているのが楽しみでした。ご近所への迷惑を考え、練習は午後8時までとしました。ご近所に恵まれました。この場を借り、お詫びとお礼を申し上げたいと思います。

高校入学後は「音」へのこだわりはますますエスカレートしていきます。本人曰く、『QY20は120%使いこなした』
いよいよQY300に。機材購入のためアルバイトを始めます。学校帰りに制服を脱ぎ、夕方6時から夜10時までコンビニエンスストア。数ヶ月後、やっとのことで手に入れたQY300。まさにその日から作曲だけでなくアレンジの楽しさを満喫していくのでした。

アルバイトから帰宅後の夜が明けるまでが至福の時間、Hugeの創作活動の時間帯でした。
では、睡眠時間は?「授業妨害一切なし!」という意味では、「優等生」でした。

 

▶ENGLISH:Spellbound

2006年03月03日