Hugeが高校時代に作ったその曲を「吹奏楽」で聴きたいという私たちの願いが叶えられようとしていました。
オーケストラピットがライトによって浮き上がって見えます。そこには総勢60名の若者たちがいました。
Hugeの母校、富士宮西高等学校の吹奏楽部の面々です。背後のステージにはHuge愛用のパソコンとシンセサイザーがスポットライトを浴びています。私は固唾を飲んでステージを見据えています。
デジタル音によるプレリュードが再生されました。一呼吸の静寂の後、ブラスバンドの力強い演奏がホールに響き渡りました。デジタルとアナログが見事に融合した瞬間でした。
2004年12月26日。富士ロゼシアター。Huge First Concert in Fujiのプログラム-Huge meets a brass-bandでのことでした。
その曲♪united effortsには楽譜はなく、音源データも残されていませんでした。CD音源をたよりに一つ一つ音を拾い集め、楽譜におこし、吹奏楽用に編曲してくれたのは地元吹奏楽団の常任指揮者をされている遠藤聡さんでした。西高吹奏楽部の演奏指導もされている音楽家です。
Hugeは大学進学後も帰省するたびに遠藤さんが勤務する楽器店に足繁く通っていました。遠藤さんや同僚の矢邊さんにはパソコン音楽のレクチャーを受けていたようで、お二人にはとてもお世話になっていました。
「ハルチカのために」と私たちの無謀なリクエストに応えてくれたのでした。
躍動感溢れる素晴らしい演奏が終わると、ホールを埋め尽くした700名の観客から割れんばかりの拍手が沸き起こっていました。
あの時の感動は今なお私たちの胸の中にあります。富士宮西高等学校吹奏楽部の部員の皆様、ありがとうございました。当時の中心メンバーはこの春に御卒業され、それぞれの道を歩んでいらっしゃいます。皆様の益々の御活躍をお祈りしております。